おしゃべり2 (2)好きな人に嫌われたくない、好かれる人間でいたいというのは、多くの人が望んでいることではないでしょうか。

なかには、自分が好きでもない人からも嫌われるのは嫌だという人もいますね。

万人に好かれるのは無理だという意見もあり、これはある意味では正しいのですが、

実は誰からも嫌われない方法も存在するのです!

 

これはコミュニケーションの基本でもある方法なのですが、ほとんどの人はこのことができていないために上手に人間関係が作れず悩んでいます。

この『人に嫌われない方法』を知って、改めて
人に好かれる魅力的な人間とはどんな人間かを考え直し、
自分自身に取り入れてみるのもいいと思いますよ。

 

先ほど、万人に好かれるのは無理だというのは
ある意味正しいと書いたのは、
あなたが接していない人が傍からあなたを見て
嫌ったりするのは避けようがないことだからです。

人それぞれ、世界の見え方や捉え方が異なり、
同じ人を見ても好意的に受け止める人もいれば
嫉妬心を燃やす人もいるし、
変に勘ぐって疑ってかかる人もいます。

私は『無意識の世界観』と呼んでいますが、
この無意識の世界観のレベルによって
見方、捉え方、感じ方が違いますので、
あなたに好意を持つのも嫌うのも相手の内側の問題なのです。

 

とはいえ、あなたが直接コミュニケーションを
とることができる場合は、あなたのやり方次第で
相手に嫌われずに良好な関係を築くことが可能です。

この方法は、私の会社で提供している
セールストレーニングでも一番初めにお伝えしている
非常に重要なことです。

なぜなら、セールスマンはお客様に嫌われたら
購入してもらえないどころか話すら聞いてもらえないからです。

ですが、最初にこの部分を徹底して実践できたら、
しつこくてウザいセールスマンから
お客様が話を聞きたがる信頼できるアドバイザーに
変身することさえできます。

 

そういえば、セールストレーニングの受講生に話を聞くと、
セールスマンはよく「お客様に共感しろ」と教育されるそうです。

セールスマンでなくても、
人に嫌われないようにするために
相手の意見に共感し同意するという人

多いのではないでしょうか。

しかし、もしあなたの意見が相手と違った場合、
自分に嘘ついて無理に共感して楽しいでしょうか?

セールスマンも我慢して相手に合わせて、
それでも売れなかったときは本当に落ち込むと
言って私のところに来る人ばかりです。

 

人に嫌われない方法は、自分に嘘ついて
相手に合わせて媚びる方法ではありません

この方法は確かに嫌われないかもしれませんが、
好かれるかどうかは疑問です。

媚びる人をなめてかかる人はいても、
信頼して大切に扱う人はいないと思います。

「お客様になめられないためにはどうしたらいいですか?」
という質問をセールスマンから多く聞かれますが、
媚びるコミュニケーション方法を使っているためです。

 

人に嫌われずに好かれる、
そして人になめられずに信頼される、
そんなことを可能にするコミュニケーション方法とは?

それは『理解する』ことです。

よく聞くようなことでがっかりしましたか?(笑)

しかし、これにもやり方があります。

相手に「理解された」と思ってもらう必要があるのです。

 

まず、『理解』と間違えやすいものについてお話します。

それは、先程も出た『共感』と、
もう一つはとてもやっかいな『評価』です。

 

『理解』と『共感』の違いは、主に主語の違いです。

『理解』は「あなたはそう思っているんですね」というように
主語は「あなた」です。

『共感』は「私もそう思っています」
主語が「私」になります。

別に共感できないことに対して無理に共感する必要はないし、
かといってわざわざ必要もない場面で
(信頼関係を作っている段階で)、

「私はそう思いません」などと主張する必要もありません。

相手は、自分がどう思っているかを理解してもらえるだけで
満足しあなたに信頼を寄せるようになるのです。

 

次に、『理解』と『評価』の違いですが、
これが混同されているが故に上手くいく関係が
上手くいかないということが頻繁に起こりがちです。

「あなたはそう思っているんですね」と
『理解』を示す代わりに、勝手に『評価』して
「そんなふうに考えるなんてすごいですね」などと
言ってしまうケースです。

これはどういう意味かと言うと、
「あなたの考えは、私の基準での“すごいレベル”を超えています」
という評価に他なりません。

「お綺麗ですね」などという褒め言葉も、
「あなたの顔面は、私の基準での“綺麗レベル”を超えています」
という評価を下しているということです。

 

評価されて嬉しいケースもありますが、
それは既に相手の評価基準を認めていたり
その人に好意がある場合がほとんどです。

自分のことを理解しているかどうかも分からない人に
評価ばかりされていると、
上から目線に感じたり、受け入れがたい気持ちになり
無意識の反発を引き出すことが多々あります。

どちらにせよ、自分を理解されたと感じることはありません。

あなたも表面的に褒めてくるような人に対して
「私の何を分かって言ってるの?」と
不信感を抱いたことはないでしょうか?

 

最後に“順番が重要”ということを強調しておきます。

多くの人は人に好かれるために、嫌われないために、
自分を理解してもらおうと必死になります。

いいところを見せなきゃ、楽しませなきゃ、
という気持ちから、話すことにばかり気を取られます。

しかし、最初にするべきなのは相手の話を聞いて
相手を理解することなのです。

 

きちんと理解していることを相手に分かってもらうためには、

「あなたは~~というふうに思っているんですね
(感じているんですね)」

「あなたは~~ということを大切にしているんですね」

などと評価を交えずに伝えます。

 

あなたにも経験があると思いますが
自分のことをしっかり理解してもらえたと感じると、
安心感と心地よさが芽生え
「この人と一緒にいたい」という気持ちになります。

こうなって初めて、人は聞く準備が整います。

あなたを100%信頼している状態なので、
相手はあなたの言葉を待ち望むようになります。

あなたが伝えたいことや意見を話し出すのはここからです。

 

多くの人が相手に自分のことを理解してもらおうと
会話という名のもとに自己主張の応酬をする中で、
あなたは相手のことを理解するように努めたとしたら
人間関係はどうなると思いますか?

自分のことをきちんと理解してくれる人のことを
嫌う人などいません。

媚びてしまってなめられることの多い人も
自分という軸を持ち意見を持ちながらも
相手を理解するこの方法を試してみてください。

信頼され大切にされる人間関係に変わっていくはずです。