グループ3

突然ですが、あなたが不安や恐怖を覚えるのはどんな時でしょうか?

たとえば過去に対して不安になる人はいませんが、
未来に対して不安を覚える人は多いと思います。

なぜかというと、
過去はもう既に体験していて知っていますが、
未来のことは何が起こるかよく分からないから不安になります。

つまり「知らない、分からない」という状況の時、
私たちは不安や恐怖を感じやすくなるのです。

 

いい大人になって、特にある程度の
地位や立場を持っていたりすると、
人前で怖いとか不安とか口にしにくくなってきます。

そんな時に使われる都合のいい言葉として、
嫌い、苦手、ストレス、などがあります。

要するに、
「嫌いな人が多い」とか、「人間関係が苦手」とか、
「人付き合いがストレス」などと言う人は、
「相手のことがよく分からないから怖い」と言って
怯えているのと同じだということです。

 

そして、そんなふうに自分が怯えていることを
周囲に知られたくないという気持ちが強い人ほど、
自分と違う性格や考え方をする人を批判したりして
不安な自分をカモフラージュする傾向があります。

自分と相手の違いを受け入れず批判していれば
自分が正しいということを主張できますし、
真正面からぶつからずに済みますので
不安や恐怖を隠すことができます。

人間関係やコミュニケーションにおける不安や恐怖に
このような方法で対処する人のことを
一般的に『我が強い人』と呼びます。

 

不安や恐怖は「知らない、分からない」状況から
生じることが多いと書きました。

それなら、自分と違う考え方の種類を知れば
人間関係やコミュニケーションにおける不安や恐怖は
激減させることができます。

知らない人と会う時に緊張する人でも、
相手がまったく自分と同じ考え方をする人だと
事前に知っていたら緊張することはないと思います。

なぜなら、こう言ったらこう返すだろうと予測が立つからです。

まさに「知っている」状況になります。

 

人と人の考え方の違いについて一つ例を挙げると、
『内的基準型』と『外的基準型』というものがあります。

『内的基準型』の人は、
人の意見よりも自分の意見を重要視し、
自分の理由で物事を決めなければ納得できないという
特徴を持っています。

『外的基準型』の人は、
他の人がどう考えているかが大事で、
他の人の意見を聞きたがります。

自分の意見だけでは確信が足りず、
そこに他人の意見も合致することで
決断に至ることができます。

 

こういう違いを知っていれば、
自分と違うタイプの人への接し方が変わります。

外的基準型の人は自分がしてほしいように相手にも
「こうしたほうがいいよ、ああしたほうがいいよ」
とアドバイスをしますが、内的基準型の人は
これをされるとウザくなって逃げ出したくなります。

自分で決断することが大事で、
相手の意見よりも自分の心に聞く時間が欲しいからです。

 

この違いを理解せずに、
「あの人は頑固で人の意見に耳を傾けようとしない」
などと非難しても仕方ないのです。

内的基準型の人には、アドバイスするのではなく、
情報提供をして「最終的に決めるのはあなただよ」
という接し方をすれば、心地よいと感じてくれて
逆にアドバイスを求められるくらいの信頼を得られます。

(内的基準の人がアドバイスを求めるということは、
相手は自分と同じくらい信用に値するという意味です)

「頑固で人の意見に耳を傾けようとしない」
のではなくて、
「強い信念を持ち自分で決断することができる」
という見方もできるのです。

 

 

私の会社で提供しているコミュニケーション研修や
セールス研修ではこのような人間の違いを知ることを
プログラムに取り入れています。

人の個性は無限ですが、
一般的なコミュニケーションで活用できるように
カテゴリー分けしたものを使うとせいぜい10種類程度で
覚えることはそれほど多くはありません。

ですが、自分と違う考え方、受け取り方などを知って、
それぞれの接し方や伝え方を知るだけで、
コミュニケーション時の自信が大幅にアップします。

「知らない、分からない」ではなく、「知っている」からです。

 

この考え方の違いを学んでいる時に、たまに
「全然理解できない!」と叫びだす人がいます。

彼らの主張は、
「絶対こっち(自分と同じタイプ)のほうがいいでしょ!」
というものです。

コミュニケーションを学んで人間関係を改善したいと
望んで研修に参加しているのに、
まだ「自分が正しい!」と主張し続けているわけです。

 

人との違いは正しいか間違っているかの議論ではありません。

先ほどの内的基準型の人のように、
同じ人をどう見るかによって様々な形容の仕方があるのです。

人との違いは単なる『違い』、それだけです。

理解しなければいけないのは、
自分と違うタイプの人の考え方ではなくて、
ただ違いがあるということだけです。

 

嫌いな人が多いという人や我の強い人は、
自分と違う人(理解できない人)を怯えているだけです。

ですが、違って当たり前なのです。

自分と似ている人とだけ付き合うというのは
不可能に近いですし、世界も狭くなってしまいます。

それならばいっそのこと、
違いを楽しんでみてはいかがでしょうか?

楽しむのがちょっと難しかったら、
とにかく正しい間違っているで判断せずに
「こういう考え方もあるんだ」というふうに
受け入れることができるだけでも人間関係は激変します。

 

どうしても人と自分の違いを
正しいか間違っているかで考えてしまう人、
自分の生き方や考え方を正当化してアピールしないでは
いられない人(要するに、我の強い人)は、

6つのLife Stageではバトルステージで生きている人です。

人間関係は「ただ違いを知って受け入れていく」ことで
とてもラクになったり改善できたりするのですが、
このステージで生きているとそれがとても難しいのです。

 

なぜなら、バトルステージの特徴は、
自分と意見の違う人と戦って勝利することで
自分の価値が得られるという考えの世界だからです。

こういう信念があると、自分と違う人は敵、
敵を負かして納得させないといけないという気持ちから
自分を正当化し、相手を非難するという行動が生まれます。

ですから、受け入れるという選択肢がそもそもないのです。

 

コミュニケーション方法を変えて
人間関係を変えるために、
コミュニケーションスキルだけを学んでも
使いこなせない人がいるのはこのためです。

どうしても無意識のブレーキがかかって
新しい考え方を取り入れることができなかったり、
行動することができないのです。

とても重要なのは、スキルを学ぶこと以上に
それを使いこなせるように
内面(Life Stage)を変えないといけないということです。

 

実はステージが変われば、特別学ばなくても
新しいコミュニケーション方法ができるようになったりします。

それはステージ毎に違う常識があり、
ステージを移動すればその常識が習慣化されるからです。

たとえば、
バトルステージから創造者ステージに移動すれば、
どんな相手でも受け入れるコミュニケーション方法が
自ずと身に付きます。

バトルステージでは『敵対』や『プライド』という
価値観が常識となっているのに対して、
創造者ステージでは『受容』や『許し』という
価値観が常識だからです。

 

あなたが生きる世界(Life Stage)を変えれば、
目に見える現実世界も激変します。

人間関係を改善したり、もっと人付き合いを楽しみたいなら、
自分のステージを変えることが一番の早道です。

Life Stageについて学べるテキストを用意しましたので、
興味のある方は読んでみてください。

人間関係がどのようにできあがっているのかの
全体像が見えてくると思います。

簡単に読めるLife Stageテキストは
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