リラックス2

「自分には何もない」と無力感や無価値感に陥りやすい人は
ある意味自分にとても厳しい人と言えます。

自分の考える素晴らしい人間や価値ある人間像と
今の自分を比較することによって、
自分の持っているものが見えなくなっていることがよくあります。

特に親や兄弟が並外れた能力や実績を持つ人物だったり、
あなたにもそれを強く期待されて育ってきたという場合、
または自分自身の理想が高すぎる場合などに
「自分には何もない」と落ち込んでしまいやすい性格になります。

比較する対象が大きすぎるから、
その落差分、落ち込んでしまうのです。

 

だからといって、大きな目標を持つことや
向上心を持つことを否定しているわけではありません。

基準を下げることを推奨するわけでもありません。

 

コーチングという目標達成のための手法を例にお話しします。

コーチングをおこなう際には
まず初めに目的地(目標)と現在地を明確にします。

その2点を結ぶ最短ルートを導き出して、
クライアントを目的地に連れて行くのがコーチの役割です。

なぜコーチをつけるのかと言えば、
目的地と現在地の間にある障害を
自分では解決できない時にコーチが役に立ちます。

 

障害がなければ簡単に目的地に行けるはずですよね。

障害というのは大きく分けて2つ、
「やる気」「やり方」です。

やる気が続かなければ目的地には行けないですし、
やり方が分からなければ進むことはできません。

「自分には何もない」と無力感に襲われることは、
目的地と現在地の差を比べて
「こんなに距離があるのか・・・」とやる気が失われ、
やり方がまったく分からないという障害だらけの状態です。

 

クライアントが「やる気」と「やり方」の障害に
苦戦している場合にコーチは何をするかというと、
やる気が出てやり方が分かるくらいのスパンまで
距離を縮めます。

つまり、もっと手前にサブの目的地を作るのです。

現在地から目的地までのルート上に
サブの目的地をいくつも作って、
一つ一つクリアしているうちに自動的に
最終的な目的地まで到達しているという状況を作ります。

 

たとえば、億万長者という目的地があって、
現在地は時給900円のフリーターだとすると、
いきなりこの2つを比べたらあまりに遠すぎて
「自分には無理だ」と絶望してしまうかもしれません。

しかし、まず最初のサブの目的地として
『億万長者になった人の本を10冊読む』としたら
できそうではないでしょうか?

最終目的地に繋がっていると実感できて
今の自分にもできそうだと感じられれば、
やる気とやり方の障害は生じません。

それがクリアされたら次のサブの目的地に
向かっていけばいいわけです。

 

コーチングの話をすることで何を伝えたかったかと言うと、
細分化して考えればほとんどの障害は解決できるということです。

多くの人はプロセス部分をすっ飛ばして
目的地と現在地だけを比較して絶望して無力感を感じます。

実際に最終目的地にたどり着くことができる人というのは、
自分を励ましながら着々と進んでいける人です。

サブの目的地までなら今すぐに行ける力があるのに、
最終目的地を見て落ち込んで何もしないのは
怠慢だと思いませんか?

 

「自分には何もない」というのは100%幻想です。

もし、人に影響を与えられる人間が
価値ある人間だと思っていて、
でも自分には何もないからそんな人間にはなれない
なんて思うなら、本当は今すぐにできるはずです。

何かいいことをして人の手本になってみることもできます。

悩んでいる人の相談に親身になって乗ってあげることで
相手の心が軽くなったとしたら、
明らかに影響を与えたと言えるのではないでしょうか。

大人に対して難しいのであれば、
子供と一緒に遊んで楽しい思い出を作ってあげられたら
その子の心にはあなたという存在が残るはずです。

 

人生の中でたった一人の人間に対して
その人の心がラクになったり、楽しい気分になれることに
関われただけで、生まれてきた意味がある
と私は思います。

その一人が積み重なって大勢になれば
なおいいですが、たった一人にできただけでも
この世界に存在する価値があると思います。

その「一人」は自分自身でもいいんです。

自分のことをハッピーにしてあげることができれば
生きている意味は大ありです!

 

ですから、「自分には何もない」なんて言って
ただ落ち込んでいるのは怠慢なのです。

誰でも人に優しい言葉をかけることができるのに、
ただ閉じこもってやらないでいるのです。

人を積極的に手伝ってあげることもできるのに、
やらずに「自分には何もない」と愚痴っているのです。

自分をハッピーにしてあげる方法を考えることなんて
いつでもどこでもできるのに、
いつも落ち込むような嫌な気持ちのほうばかり
優先させているのです。

 

大きな理想像を追いかけて落ち込むよりも、
やる気が出てやり方も分かるサブの目的地を
まずは目指しましょう!

ほんの小さなことにも大きな価値があるのです。

あなたにできることは山ほどあります。

その積み重ねで、気付いたら最終目的地に
到着しているなんてこともよくある話です。

 

ところで、「自分には何もない」と無力感や
無価値感を感じやすい人は、6つのLife Stageでは
バリアステージで生きている人です。

バリアステージは無力感や無価値感、絶望という
もっともネガティブな感情がベースとなっている
ステージであるため、長い間このステージにいると
人生に希望を見出すのが困難になります。

そのため、あまりに長い間バリアステージで
生きている人の中には、自ら死を選ぶ
人もいます。

もしあなたが「自分には何もない」と
長い間悩んでいるとしたら、
今すぐにバリアステージから別のステージに
移動する決断をする必要があります。

 

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