怒る先日、部下の指導に手を焼いているというクライアントさんから相談を受けました。

なんとか業務をしてもらおうと気を使いながら伝えたことに対して「分かりました」と返事をしてもほとんど何もせず、分からないことを聞いてくるでもなく、

そのことを指摘すると返ってくる言葉は「すみません」、けれども何も改善していない。

それでも辛抱強く伝えていたらいきなりキレ出して、もうどうしたらいいのか分からないということでした。

自分の会話力のなさ、コミュニケーション能力の低さが原因だと落ち込んでいました。

 

これは上司と部下の例ですが、
恋人や夫婦関係、友人、親子関係でも
同じような相談を
受けることがよくあります。

要するに、自分の真意が相手に伝わらない、
会話のキャッチボールが上手くできないという悩みです。

この悩みを解消して会話力を鍛えるには
あるコミュニケーション方法を知るだけで
みるみるうちに会話力向上を図ることができます。

 

会話のキャッチボールという言葉どおり
キャッチボールに例えると、

ふんわりしたボールを投げたほうが
受け取りやすい人もいれば、
ある程度スピードのある鋭いボールのほうが
受け取りやすいという人もいます。

もしあなたがふんわりしたボールのほうが
受け取りやすいと思っているなら、
好意で相手にもふんわりしたボールを
投げてあげるでしょう。

しかしもし相手が鋭いボールのほうが受け取りやすく
ふんわりしたボールだとコントロールを
失ってしまうような人だったとしたら、

あなたが好意を持って投げたボールを
受け取れない可能性が高いのです。

 

このように、人はそれぞれ性質が異なります。

言葉の受け取り方や納得する方法も、
人それぞれが無意識の中に持っている
フィルターを通して理解されます。

それも1つや2つのフィルターではなく、
私たちは数十種類の無意識のフィルターを
持っていると言われています。

 

多くの人はそうとは知らずに
自分自身が理解しやすい方法で
相手にも伝えようとしている
ので、

偶然自分と同じようなフィルターを持っている人には
少ない言葉でも伝わりますが、
そうではない相手にはなかなか伝わらないという
経験をするのです。

あなたにも阿吽の呼吸で伝わる人もいれば、
なかなか理解してもらえないし相手の言っていることも
よく分からないというような人がいるのではないでしょうか?

 

無意識のフィルターの違いにはこんなものがあります。

彼氏や友人と旅行に行こうということになって、
相手がダイビングとラフティングがしたいと言い出し、
ディナーでは〇〇が食べたい、ランチの予算は・・・
などと話し始めた時に、

あなたが「ちょっと待って、なんでそんなこと考えられるの?」
と違和感を覚えるなら、2人は違うフィルターを持っています。

相手は細部型、あなたは全体型というフィルターを
持っていると考えられます。

 

細部型は自分の興味のある一部分だけを
詳しく知りたい、それを知るだけで行動できます。

ところが、
全体型の人は初めに全体を把握しないと
細かいことを考えられません。

上記の例なら、
日数はどれくらいで予算はいくらでどこに行くのか、
最低でもこの情報がない限り、アクティビティや
食事のことを決めることなどできないのです。

しかし細部型の人に日数や旅行先を先に決めよう
と言っても、なかなか決めることができません。

何をしたいのか何を食べたいのかを先に決めて
全体像はその後だからです。

 

全体型と細部型の部下に同じように指示を出したら
どうなるでしょうか?

どちらかは確実に違和感を覚え
なかなか行動に移すことができないということは
予想できると思います。

全体型の人には、まずは全体像を伝えます。
全体の中でどの部分が自分の仕事なのかを
理解することで行動しやすくなります。

細部型の人にはその人の担当する部分だけを伝えます。
より具体的に詳細を伝えることで
細部型の人は行動しやすくなります。

 

もう一つ無意識のフィルターの違いの例を挙げると、
外的基準型と内的基準型という違いがあり、

外的基準型の人は他人がいいと言うことで納得し、
内的基準型の人は自分がいいと思うことで納得する

という違いがあります。

外的基準型の人は何か商品を買う時に
口コミを見たり、人に相談したりして
いい評価を見たり聞いたりすると
これはいい商品だと納得します。

内的基準型の人は他の人の意見はまったく気にしません。
自分がいいと思ったときだけ商品を購入します。

 

外的基準型の人は背中を押してもらうことを求めています。

ですから、親身に相談に乗ってくれる人や
意見をはっきり言ってくれる人に好感を持ちます。

内的基準型の人は尊重されることを求めています。

この人には決して意見を押し付けてはならず、
自分自身で決断するという自由を与えることで
信頼を得ることができます。

必ずどちらかのタイプに分かれるわけではなく、
割合の問題です。

5:5の人もいれば、9:1の人もいます。

 

初めのほうで、私たちは数十種類の
無意識のフィルターを持っていると書きましたが、
すべてのフィルターを理解する必要はありません。

会話の際に活用することで効果が出やすいものは
10個程度で、一度に使えるのは2~3個ですし、
もっとも重要なのは、このような違いがあると
理解して相手と接するということです。

受け取りやすいフィルターが自分とは違うんだ
と分かるだけで相手の理解力を責める気持ち、
自分の会話力のなさを責める気持ちが
減っていくと思います。

 

この無意識のフィルターの違いを伝えたときに
「どうして私ばかりが努力しなければならないの?」
という反応をする人がいます。

相手も無意識のフィルターの違いを知って
自分に対しても受け取りやすい伝え方をしてほしい
という気持ちもよく分かります。

結局、コミュニケーションというのは
相手といい関係を築きたい、
相手が必要としているものを与えたい、
という気持ちがもっとも大切なのだと思います。

自分ばかりが損をしているという気持ちで
コミュニケーションをおこなっても
望む関係性は得られないでしょう。

 

そのような場合はスキル云々よりも、
まずは相手を思いやる気持ちを育てることが
より良い人間関係を築く上で必要なことです。

先に与えることが損だと感じるのではなく、
まずは自分のコミュニケーション方法を変えて
人とより良い関係を作ることが、最終的には
自分の幸せとして直接返ってくるのです。

コミュニケーションや会話力を鍛えるスキルは
たくさんありますが、
知っているだけではまったく意味がありません。

スキルを効果的に使えるかどうかは結局
内面の意識レベルに比例してきます。

 

いろいろ頑張っているけどなかなか効果が出ない、
望む結果に結びつかないという方は、
まずは内面のほうから変えていきましょう。

金銭面や仕事ではスキルと頑張りだけで
ある程度の結果を出せることもありますが、
人間関係では内面の状態がもろに結果に反映します。

恋愛関係、家族関係、友人、職場での人間関係に
悩んでいる方は、自分の内面の状態に
向き合ってみると打開策が見つかることがよくあります。

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自分の内面の状態に向き合ってみてください。